長くなりそうなのでこちらに。

参考になりそうな動画を見ていただくのと同時に、思いついたことを書いていくので、ネタ探しのヒントになれば幸いです。

 

紙です。このくらいの書き込みをセルアニメ(パラパラマンガ)でやろうとすると膨大な時間がかかります。パーツに動きをつけることで、作業の質を変え、作業に必要な時間の単位を根底からひっくり返したとも言えます。

が、アニメではなくなるので、「紙を使った手法をとる」大義名分が必要になります。「面白み」みたいな理由になるのですが、説得力があるか、説得力を持たせる仕掛けがあるかが大事になってきます。

奥行きあるジオラマを撮影するカメラの動き、の例です。手前のエキストラと奥の建物、その間を進む自転車の見え方の違いで遠近感を感じます。注意するのは、遠近感というのは理屈で感じるのではないということ。基本的には見る人の経験に沿った見え方になります。「この見え方であればこういう空間だ」と思うことができればそう感じます。トリックアートがだまし絵として成り立つのはこのためです。思い込むことができるのであれば、多少の誇張や嘘でさえ演出として活かすことができます。

逆に、理屈や物理法則が正しくても、「見たことのない絵、見たことのない状況」というのは、感じてもらう、信じてもらうための難易度が高いと言えます。落ち着いてよく見たらそう見えてきた、というのは、そういう狙いのシーンかどうかを見極める必要があります。

動きの質と意味合いの比重の例です。途中めっちゃ動くシーンもありますが、よく見ると「動き」というのは思いの外少ないです。象徴する動き(最初のカットでは風を表すはためき)以外は動きという動きはないに等しい。文字も同様です。リリックビデオではありますが、歌詞をしっかり読めるように作られたわけではありません。どちらかというと群衆として絵作りに参加させる意図で登場しているので、あくまでその他大勢の雰囲気要員です。動きも重要では無い、はずなのですが、このビデオは題材とのマッチングが絶妙なので文字が持つ意味性とフォルムと動きの掛け合わせで、プラスαというか何倍も効果的な演出になっている、といった感じです。

途中のモーショングラフィック部分が長崎案件の参考になりそうかなと思います。様々な要素を組み合わせてどんな世界を作ろうか、という感じです。資料が潤沢にあるとは考えにくいので、探して探して断片をつなぎあわせてお話の世界を構築する、といったイメージを持ってもらえると。

線というのはうまく使うと綺麗という例です。

AEでの奥行き、ジオラマとカメラワークの例です。

限られた資料を動的に見せる例です。要素が多いので(見る人はそこまで気にしないものの)、資料や流れの妥当性が求められ、作り手の教養が問われ困ります。この時代なので、後からいくらでも粗探しができ、いざ何かまずいことがあった時のダメージが相応に大きいです。ただ、説得力は期待できるので、対象に対する知識を深め挑戦できるといいと思います。

何も言わなくても、絵柄から歴史の話だとわかる例。秋吉台のイラスト、特に導入については、絵柄からも「いにしえの〜」感が漂ってくれた方がいいかなと思います。

紙人形劇の例。ここまでまとまると演出の一環というよりは映像作品として成り立ちます。ただ、難しいことに、しっかり作ったものが演出でも活きるか、というと必ずしもそうではありません。上映会なら面白い映像が流れれば万々歳なんですが、演出の場合は、その場が面白くならないとなりません。面白く完成度の高い映像が流れたところでその場が面白くならない、なんてことはいくらでもあります。「場を面白くしようと」しなければ何をやっても無駄になってしまうということです。

キャスティングやそれぞれの動きに小ネタが仕込まれてますが、一枚絵としてまず迫力があって世界観を主張している例。動いてても一瞬を切り取っても、主たるメッセージは変わらず感じ取れる必要がある、ということです。それはイメージや感じ、といったアバウトなもので構いませんし・大概そんなものです。動きに込められたそれぞれのキャラクター性や、一瞬の切り取りを吟味して気づくキャスティングの妙などの小ネタは「付加価値」というもので、作品の質の向上に一役買っています。が、「(理解できなかろうが情報を得られなかろうが)よくわからんが面白そうじゃないか」と思ってもらえたりしたらそっちが大事です。そのためのアイデア(この場合は絵画的な全員集合のいい絵)がまず無いといけないし、説得力を出すためには付加価値の部分(キャスティングとそれぞれの小道具や関係性、そこから生み出されるであろう激動の世界の予感)も必要です。どちらが先、というのも難しい話で、運よく一緒に着想する、ということが経験上は多いです。

と、映像関連の場合は基本の手法や考え方が似ていても、その他関わる要素が多いので、いろいろな見え方のものがありますので見てみてください。最初は見よう見まね、とか再現してみるトレースしてみる、というのが映像でも基本になります。いろいろ見てみて、「こういうのがやってみたいな」と心から思えるような雰囲気のものに出会えたらラッキーです。何をするにも手間もかかるし大変なので、好きこそ物の上手なれ、というのは結局本当のことだと思う時がくると思います。だんだんそういうものを増やしていければこれまたラッキーで、そのうち何かと何かの間で突然変異ができるようになったりします。それが武器になるので、少なくとも自分だけはそれを把握しておくようにしてみてください。