というわけで、7月の初めに行われました新潟ADCの審査会で、なんと準グランプリをいただいてしまいました。嬉しい。

ここ数年とはちょっと審査基準が違う?という空気が漂うなか、あれよあれよと最後の方まで自作が残るのはちょっと不思議でしたが。嬉しい。

当日は、子守番だったので息子殿を一緒につれて行ったのですが、「残ってるよ!」「点が入ったよ!」「点が多いよ!」とかいちいち報告にくるものですから、やめろ運が逃げるみたいに思っておりましたがなんとか逃すことなく。嬉しい。

 

そもそも、審査員の皆さんもそれとなく触れてくれたように、「美的にとかデザイン的にとかではなく」というところが勝負の作品だったわけで、ちょっと気は引けるというか正攻法ではないかもと思いつつでした。よくよく思い出すと、プロジェクションマッピングの大会の時もこんなかんじ、戦略で勝負に出て運良くハマったというのに近いですね。

 

最初のきっかけというか、クライアントからのご依頼は、「商品の良さを伝えるのにちょっと面白いことがしたい、海外通販のパロディみたいな」というもの。映像を撮影するのと同時にパッケージ用の撮影もしたいとのことで、パッケージも新たに作る構想であると。

ところが、諸般の事情で予算は限られているので、そのままでは実現は難しいかなという印象でした。安っぽさは逆手にとるべきですが、パロディであることがバレないでいてしまうくらい安っぽすぎるとまずいのです。パロディはパロディであるとバレないと意味がないのです。ちゃんとバレようとすると案外お金はかかるものなのです。。

というわけで、大方針転換を図り、アイデアを提案しに向かいます。ちょうど新しい手法を試そうとしていたタイミングでもあったので「実績はない手法ですが、テンポよく特徴を伝えつつ、従来品との比較をいやらしくなく伝えられると思います。何よりお試し価格で設定できます。」ということで、最初のスタートを切らせてもらうことに成功しました。

で、こんな感じです。最初は。骨は最終とそんなに変わりませんが、キャラクターは人物の設定でした。当初は「伸びる」にフォーカスしすぎて、「引っ張って伸ばさないでください」などと注意を受けたり、「絡みにくいのは確かですが絡まないとは言わないでください」などと注意を受けたりでしたが、徐々に商品の性格もうまく捉え直してシナリオを修正していくことができました。そんな中で、あの変なキャラクターが生まれ出てきたわけですが、正直なところ描きやすさが最優先だったためあの形になったと言っても過言ではありません。

 

描きます。

 

もりもり描いて動かします。

 

同時に音についても進めていきます。当初より、ラップまでは行かないもののとぼけたリズムに乗せてボソボソ喋り倒す感じで行こうかと思っていたのですが、実際に仮音に仮り喋りで乗せてみるとこれがまたつらい。テンポの悪さは致命傷になると判断しまして、だんご3兄弟作戦に出ることにしました。ちゃんと歌があるけれど、とりあえず「っだんごさんきょうだい♪」だけは覚えるみたいな作戦です。

というわけで、弊社の長井氏にだんご3兄弟的な楽曲制作を依頼、その曲を要所に挟んでいく方針に転換したわけです。説明の喋りはシンプルに語りかけるほうが良いだろうということで、いつもお世話になっている俳優の小林へろさんにお願いすることにします。以前民話案件をお願いしたときに、土地の人達の間で大反響をいただいたほどの語り手なのです。特に、森本レオのモノマネは、誰が聞いても森本レオのモノマネなので、今回は路線としては森本レオがドンピシャと思っていましたが、レオ度を低めでお願いしました。

恐縮ながら「歌ってください」のオーダーにも軽快に応じていただき、ひとり大笑いしていたところ、「声色変えてみます」との嬉しい申し出が。で、これまたおもしろく、最初は長い奴が一人で説明する予定だったところ、その場でもう一人ちっちゃいのを登場させようと即決しました。締め切り直前といえば直前ですが、下記やすさ優先で事を進めていたため「えいや」の適応ができたと思います。というわけで導かれるように凸凹コンビの掛け合いスタイルとなったのです。

 

と、実はこの段階でも、案件のリーダーである担当者さんは「なにが面白いのか全然わからん」とおっしゃっていました。。。が、まわりのみなさんの「いや私はいいと思いますよ」とか「子供は好きそうですよ」とかの声を信頼してくれて、「任せる」と言っていただけました。ありがとうございます。僕らから見たらその方のほうが面白い存在で、最初に打ち合わせに伺った際、なんともご丁寧にお礼の葉書が届くという。三人で伺ったので三人それぞれに一枚ずつ届くという。

そんなこんなでなんとか世に出て、展示会なんかではそれなりにご好評いただいた、というご報告もいただいたりしておりました。うちの息子も歌が好きになったようで、たまに思い出したら口ずさむ、みたいな。

 

というわけで、ちょっとおもしろいのが作れたんじゃないかな、ということでエントリーしたのが今回のものです。思っていたよりずっと気にしてくださる方が多くて、「ほーすのやつ」で通じてたのがちょっと嬉しかったです。公開審査や授賞式での結果発表も、大の退屈しいの息子がドキドキしながら居れたようでよかったです。「長いしつまらないから帰ろうよー」とか酷いことを言うんですよね、子供って、興味ないことだと。

受賞後、「あのホースの人ですね」という言われ方になるのもまた嬉しかったです。近い人達は、あんな絵を描くのは桑原しかいないと知っているので、会社の名前でもない自分の名前でもない、作品からの見られ方というのは新鮮でした。加えてあのホース欲しいと言ってくれる方が結構な人数に登り、それも嬉しい限り。が、残念なことに、新潟県内への卸はないということが判明。。ぜひ皆様ポチっていただけますよう。。

 

受賞の報告をしようとメールを送ったところ、やはりといいますかたいそうなお葉書をいただいてしまい恐縮至極でございます。。