というわけでQuickStyleさん、新潟にやってきました。

ちょうどTOYOTAのCMがバンバン流れているタイミング。

CM見たことのある人は、特徴的な音楽と笠、”STRAWHATZ”を見て「あれ?」と思ったかもしれません。

そう、今回のゲストはTOYOTA CROWNのCMでメインを張っていた二組だったのです。

もう一組、HIFANAさんとのステージに挑んだVJ TAWARAの様子は、前にちょっと伝えた通り。

僕はというと、当日は気を揉んでいれば済む役だったのですが、その前日まではQuickStyleさん用の映像を頑張って作っていました。

 

どうやら彼ら、ダンスだけではなくて自分たちで映像作ったりいろいろやるらしいのです。

今回の演目についても、彼らの中では確固たるヴィジョンはどうやら見えているようでした。

ただ、今回のステージが通常のスクリーンみたいなものがあるわけではなく、建物にマッピングしているまさにその前にあるということで最終的な出力のイメージが分かりにくいということもあり、その部分「実際のところ」を任せていただいたような格好です。

というわけで、プレッシャーではありましたが、ちょっと変なスイッチが入りそうな瞬間もあったりしたので、ちょっと顛末をご紹介したいと思います。

 

まず、出演いただくということが決定した段階で楽曲が送られてきました。

ともに、

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コンテの写メが送られてきた!すげーな。

なんかもう出来てるな、と思いつつ、建物に映すならどうしようとか、この表現は苦手そうだ(僕が)、とか色々考えます。

ところどころ「好きにしてくれ」みたいな感じも、ちょっと奮い立ちますね。

 

こういう時一番難しいと感じているのはさじ加減で、ダンサーたちの体の動きが主役なのは間違いないのです。

いかに照明として、背景として舞台を引き立てられるか、みたいなことを想像する精度を上げないといけないなと思ってはいるのですが。

 

そうそう、僕らの作り物って想像するしかないのです。

こうしたらこういうものが出来るっていう経験則みたいのはあるんですが、それをその時その場所で見た人がどう思う、っていうところまでは経験がない、初めてであることが多いからです。

細かいパーツパーツとか、得意技とかはあるんでしょうけど、こういう感じを作れば受けるっていう確たるものはないわけです。

確実だと思ったとしても、それは勝手な自信を伴った想像でしかないので、本当に大外しすることがあります。

この想像の精度が悪いと、さんざんコストと労力をかけた作品が、「わかんない」とか「だからなに」とか言われるわけです。おそろしい。

 

というわけで、走りすぎないようにかつ雰囲気を出せるように。

ベースの楽曲は「Wamono」で笠三人衆なので、ベースはやはり和な感じで行こうと思います。

今回、和風を醸すメインとなるのは、筆書き風のタッチであると決断します。

相変わらずiPadでせこせこ描きますが、ちょっとこの線だけだと物足りない感じです。

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ここでちょっと思い付いたのが着彩の仕方。

最初は水彩画っぽい感じでにじませたりしようかと思っていたんですが、ツール的にうまく行かなかったのとちょっと繊細すぎるかと思い方針転換。

和紙の質感と色味を活かして、着彩とテクスチャ付けを一気にやってしまおうかと。

これが思いの外ハマりました。

個々を見ると単純かつ雑な仕立てですが、メイン画面で群衆として使用すると結構いい雰囲気ではありませんか。

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とくに、懸念でもあった鯉のシーン。

ここにバシッと来てくれましたね!

個人的には、もう少し長い尺で見ていたいくらいのくせになるシーンになったかなと思います。

うじゃうじゃしてるとちょっと可愛いです。

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なんか個人的な主観なんですけど、美麗すぎると逆に普通でロイヤリティフリー素材感が強く出る気がして好きではありません。

鯉が泳ぐシーンなんて、CGで美しく作られたフッテージは見たことがあるし買ってこれるし誰かがどこかで使ってるし。

似たようなものをめちゃくちゃ労力をかけて作るっていうことにも意味を見出せないでいます。

普段の暮らしの中でわりと皆さん、綺麗なものを作りたがることが多いのかなーと感じることがあるんですが、どうなんでしょう。

ちょうどいいクラフト感って、けっこう大事になってくると思うんですけれども。

 

で、ドンドコドンドコででっかい月が出てきたり。

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で、団子郎・古町が共演を果たしたり。

dankoma

 

問題は、最後の一盛り上がり、ラストに繋がる一番走る部分をどうするかです。

いい部分を任されちゃったので、此処が一番頭を捻ったところです。

考えた挙句、月といういいお題をいただいていたこともあり、そこから思い付いたのがうさぎ。

うさぎの餅つきって、今までの人生で一度も絵に描いたことがなかったなーなんてふと思ったのです。

多分話としては、誰しも知ってますよね?月で餅つくうさぎ。

でも大人になって話題にのぼったこともないし、どこかで見た覚えもないし、とか考えていたら、うまく行けば面白いような気がしてきたわけです。

知ってるのに見たことがないって。

というわけで、うさぎといえば鳥獣戯画。

 

 

模写します。

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月で餅つくうさぎ。

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ちょうど四つ打ちに変化するシーン。

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ドンッドンッドンッドンッ、ペッタン!ペッタン!ペッタン!ペッタン!「よっ!」「ほっ!」

やべーw。僕個人的にはツボです。

 

というわけで、背景としてはちょっと強いかもですが、カメラの動きを少なくしてなんとかバランスをとろうかなと思いました。

動きとしては繰り返しなので、ダンスの後ろで勢いだけ見て取れるのが理想です。

最後のおまけの松は、佐渡の小泊の能楽堂の松です。能舞台にプロジェクション、今年もやる予定なので10月1日2日と偶然佐渡にいらっしゃる方は是非。能面をつける本格的な舞を見られるようです。

 

というわけで、ようやく完成したのはショーの前日。

その日は、みなとぴか全体の仕込みが終わってプレスプレビューというタイミング。

QuickStyleのみなさんは、市内でのワークショップを終えたその足で現場に。

それに合わせて、プロジェクションの調整の合間を縫っての確認試写となりました。

実際僕も、そのタイミングで初めての試写だったので、実際どう見えるか(多分大丈夫だろうとは思っていても)不安だったのは言うまでもありません。

 

毎度のことですが、プロジェクションて写してみないとわからない部分が多少なりともあるので、特急の直しはあるものと思っているわけです。

すごく予算があるなら別ですが、大体の場合、実際のプロジェクターが設置されるのは前日です。

今回はそれでも恵まれていて、前々日に設置され前日夕方の段階でおおよその調整が済んでいる状況でした。

にしても、前の日に写してみて、「あ、やべー」ってことになって、夜を徹して本番までに直す、というのがいつものパターン。

この日も、最悪夜間に作業するつもりだけ、心構えだけはしておいたものの、嬉しいことに直し無しということで。

本当に良かったです。

そろそろほんとうに体がきつくて。

本気徹夜ができなくなってきたので、火事場の馬鹿力的な制作スタイルはやめなければいけないという話。