というわけで、ラ・フォル・ジュルネが終わりました。なんとかギリギリ完成にこぎつけました。といっても、もともとあまり手をかけなくてもいいように社外のクリエーターにご協力いただいたわけですが、それでも大変な思いをしてギリギリってことは、ご協力を要請していなかったら色々やばかったということでしょうか。

それも含めて、今回もまたいろいろ勉強になりました。

特に今回特殊だなーと思ったのが、関係各位の思惑が見事にバラバラという点です。

言葉で言うと「お客さんに喜んでもらう」ということで、同じ星を目印に進みそうなんですが、楽しんでもらいたいお客さん像も、どう感じてもらいたいかも、趣味趣向も全くバラバラなわけですね。

そんな真ん中で、プロジェクションマッピングなどただでさえ意味のわからないものをどうこうしないといけないので気をもみました。

最大の課題は、「面白いことで人を集めたい」派と「来てくれているお客さんにイベントの雰囲気を感じてもらいたい」派の要望の両立です。

うまい落とし所を探して最大公約数的に無難にかわすか、発想の超転換で化けさせるかどちらかかなと思いきや。。

ネイチャーの世界には、人工物が一切登場しないことに+同時期に「マッピングだよ!全員集合!!」みたいな告知をしてしまっているんですよね。まずいことに。素数同士の最大公約数みたいな。

僕の持論は、「プロジェクションマッピングを人寄せに使うと良いことない」なんですが、とりあえずそれは置いておいても、ねえ。

特に今年は、屋内のコンサートホールでもプロジェクションマッピングを、という企画が上がっていたものの演奏が最優先なので際立った演出(盛り上げたり楽しませたり)は出来ないということがおおよそ決まっていたのに、「中でもあるよ!お楽しみに!」みたいな告知だったりでさあ大変、でしたがそれどころではないのでこれも置いておいて。

今回のメインのプロジェクションマッピング的コンセプトはただ一点、「自然が音楽を作り出す」です。

もともとは、「自然の中の見えないところでは色んな物がうごめいて工場のように色んな物を作っていて、そこで作られたものが出会ってぶつかったりすると音楽が生まれるんだよ!」、という感じで行こうとしてたんですが、自然の中に工場は無いと却下されました。まあ、9割方に反対されたんですが。

工場的なものはプロジェクションマッピングとの相性がいいし、「なにか作ってるんだ」というのがわかりやすいんで、「アイデアと手法がはまる!」と一人盛り上がったのですが。

そういえば以前、映画「ノウイング」の映画評を見たことがあるんですが、あれ日本人にはさっぱりわからないらしいんです。僕も見たはずなんですがほぼ記憶に無い。入ってこないというか。

キリスト教的な価値観や伝聞伝説、そこから育まれる良識常識といった類の知識がないと、映画の中で起こっていることの意味やその結果導き出されるもの、さらに大オチがまったくイミフらしいです。

楽しむ前提が共有できていないと楽しめないんですね。ノウイングを楽しむためにキリスト教を学ぶかというとちょっと無理。

あとから何が違って意味がわからないのかを教えてもらうのはそれなりに楽しいのですが。

しかしあれですね、クラシック界というのはやはり独特な世界なのでしょうか。

古より現代にまで残り続けている芸術なので、ある程度保守的な面もあるのだろうなとは思っていたんですが。

今回のプロジェクションマッピング制作関係者側の中でも、一番独特なお客さん像と目的を持っていらっしゃいました。

ひとことで言うと、格式高い感じというか芸術に向き合う覚悟をプロジェクションマッピングのコンテンツにも求められているようで難しい問題でした。(これは少なからず、観客にもそういうのが求められているわけで。。)

僕はプロジェクションマッピング的な演出物に関しては作るものも、お客さんの見方や反応も俗っぽい方が好きなので。自分が「プロジェクションマッピングだよ!」と募られた観客だったら置いてけぼりをくっても、ねえ。

例えば今回使用した楽曲も、聞いてこの曲は〇〇だ、というのがわかればなんとなくシーンを合わせてるんだなとか、一つネタとして見る要素になるんですが、なかなか知らないですよね。僕も作るにあたって名前を知った曲ばかりです。かと言って大げさに解説するほど大層なことではないので感じてもらうしかないんですが。

これは何が良い悪いではなくて、お客さん像と目的が違うという話です。だからこそながいあいだ崇高な芸術として愛されてきたのでしょう。

http://togetter.com/li/965473

繁栄でも衰退でもなく、志ある人達によって粛々と高みを目指す。

でもその突っぱねがうまく機能しないと、ゆくゆくはこうなってしまいそうで、そんな未来はちょっと嫌かも。芸術というものは難しいな、頑張ってほしいなと思います。

というわけで、青い鳥に誘われておおいに自然を感じていたらどことなく音楽が流れてきて、ふと気付くと楽器たち(楽器は自然が生み出したものという解釈)が!という形になりました。

とにかくもう少し超分野的に口達者に説得できるようになりたいです。